講義第5回:電子メイル

メイルを使う

参考:
HWB のメー ルについての説明

皆さんがこれからの学生生活、あ るいその後大学院にいって研究をするにしても企業、官庁で働くにしても、計 算機ネットワークをもっとも使うのは現在のところ電子メイルであろう。 電子メイルは、要するに皆さんが計算機で作った文書を、世界中のインターネッ トでつながった計算機を使えるひとなら誰にでも送れるしかけである。(もちろ ん、皆さんがもっとも便利に使うのはクラスやサークル内の連絡だと思うが、、、) 電子メイルには、以下のような優れた特色がある。

もちろん不便な点もある。 まあ、とりあえず実際に使ってみよう。以下、簡単に手順を説明する。 情報処理ワークブック「電子メイル編」をみると、もう少し詳しく書いて あるのでこれにしたがってみるのもよい。

注意

このセンターの計算機システムでは、 の3種類のメイル環境がシステム標準として利用できる。また、それぞれの上 で Netscape Communicator のメイル環境なども存在はしている。が、今のと ころまともに動作するのは UNIX CPU サーバ 上の Mule+mew だけなので、他 のものを使うことは勧めない。特に ICEmail はちゃんと動いていないので使 わないことを強く勧める。

いままで ICEmail 等を使っていた人でも、今日説明するMule+mew を使って これまでに来たメイルを見ることは出来るので、こちらに切替えたほうが気持 ち良く使えると思う。


メイルを書く

まず、自分宛にメイルを書いてみよう。Muleのウインドウ(右側)で、
 ESC x mew-send
と入力してリターンする(スペースを入れるのではなく、最初に ESC キイ、 次にxキイを押して、それから mew-send)。すると、

To: 
Subject: 
X-Mailer: Mew version 1.93 on Emacs 19.34 / Mule 2.3 (SUETSUMUHANA)
Mime-Version: 1.0
----
と出る。ここで「宛先(To:)」と「表題(Subject:)」を指定する。ここではま ず自分宛に送ってみよう。つまり、 To: の後に g9?????? (自分の番号) を入れ、 Subject: の後は test にしてみよう。

なお、 Subject に日本語をつけたいという気がするが、今のところこのシス テムではうまくできない。また、メイルを扱うシステムの中には Subject な どが日本語であるとうまくいかないものも多いので、ここには日本語を使わな いほうが安全である。

宛先と表題をつけたら、カーソルを ---- の下に移動して本文を書こう。 通常の文書を書くのと同じ ように編集することができる。この後で宛名や表題を変えてもいいが、 To: などとかいてあるところとか、ハイフンがならんでいるところは消して しまわないようにしないといけない(消してももとに戻せばいいのはもちろん である)。これは、これらの情報をみて計算機がどこに送るべきかなどを判断 するからである。計算機が必要とする情報が入っていないと、メイルがおくら れないで戻ってきてしまう。なお、送り先や表題の中身はここで変更することも できる。

メイルを送るには、 文書を書いたあとで Ctrl-c Ctrl-c と押す。これは、「キーボードの Control と書いてあるキーを押したまま c を2回押す」ということ。すると、 何か聞いてくるかも知れない。普通は "y" と答えればよい。

なお、なんだかわからなくなったのでメイルを送るのを止めたいという時には、 単に現在のバッファ(Mule では複数の文書を編集することができ、その編集 中の文書一つのことをバッファという)を消してしまえばよい。これメニュー の File のところで、 kill current buffer を選ぶ。

メイルを読む

さて、メイルがうまく送られたら(といっても、読んでみないとうまくおくら れたかどうかわからないが)、今度は読んでみよう。

メイルを読むには、

ESC x mew

と入力してリターンする。(上と同じで、スペースは入れない)すると、例えば

    7  05/12 makino@mail.ec test                                               
    8  05/12 makino@mail.ec test                                               
というような状態になる(多分最初の番号は1だと思うが)。中身を読むには スペースを押すと、カーソルのある番号のメッセージが出る。カーソルは普通 に矢印キーで(あるいは、 Ctrl-p/Ctrl-nで)動かすことができる。

さて、1画面に収まる短いメッセージなら見ておしまいだが、長いのはどうす ればいいだろうか?これには2つの方法がある。一つは、スペースキーとデリー トキーを使う方法である。これで1画面分ずつ動かせる。もう一つは、カーソ ルをメッセージが出ているほうのサブウインドウに持っていき、そこでいろい ろな mule のコマンドを使う方法である。持っていくには、Ctrl-x o で移動 する(もう一回で戻る)。または、マウスカーソルをメッセージの方にもって いって左クリックでもよい。

ここで、Ctrl-x o というのは、「まずControl キーをおした状態で x を押し、 両方離してから o を押す」という意味である。

メイルを読むのをやめるには、単に q と入れればいい。

返事を書く

メイルが来たら、返事を書いてみよう。まず自分宛に送ってみているから、 それに返事を書いてみる。

返事を書くには、番号のウインドウの方にカーソルを戻し、返事を書きたいメッ セージのところにカーソルをおいて、ただ A と入れる。すると、メイルを書 くのと同じような画面になるので、書いて送ればいい。

なお、大文字の A を押した時は自動的に元のメッセージが取り込まれる。必 要なところ以外は消して、適当に編集して送ればいい。

メイルを送るには、前と同じで文書を書いたあとで Ctrl-c Ctrl-c と押す。 これは、「キーボードの Control と書いてあるキーを押したまま c を2回押 す」ということ。

新しく来たメイルを読む

g で新しく来たメイルを読むことができる。なんか聞いてくるが、とりあえず ただリターンすればよい。もしまたパスワードを聞いてきたらパスワードを入れ直す。

学外にメイルを出す

これはこの講義の中で実際にする必要はないが、原理を説明しておく。世界中 の計算機のうち、インターネットにつながっているものにはどこへでもここか らメイルを送ることができる。そのために、計算機(あるいは計算機群)には みな名前がついていて、例えば以下のようなアドレスを指定してメイルを学外 に送ることができる。

makino@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp
makino@sns.ias.edu
ここで、上のアドレスは、ここの計算機での僕のアドレスである。 @ マーク の前がユーザ ID で、その後はアドレスである。これは後ろから以下のように 読める
jp : 日本
ac : 大学など教育機関
u-tokyo : 東京大学
ここまでは全世界的な規則で決まっている。その前の ecc は教育用計算機セ ンターを意味する。これは東大の中の決まりである。さらにその前の mail は、 メイル用のサーバー計算機の名前である、。 下は、アメリカのとある研究所にある私のメイルアドレスである。アメリカの アドレスは国名がつかない。これは(多分)このインターネットという仕組み がアメリカではじまったからである。その前は研究所の略称、その前はメイル を扱っている計算機の名前である。

なお、皆さんの中にも、すでにインターネット・プロバイダ、あるいはニフティ サーブなどのパソコン通信で電子メイルアドレスを持っている人がいるかもし れない。その場合、大学とプロバイダのアドレスを使い分けるのならそれでい いが、まとめて読みたいという場合もあろう。

という場合には、
セキュア WWW サーバーを使っ て設定する。逆にプロバイダへのメイルを大学に送りたいという時は、プロバ イダ毎にやり方が違うので問い合わせるなり資料を見るなりしてほしい。

課題

以下のアドレスにメイルを出せ。表題には、必ず kadai-1 とつけること。つ いていないものは提出課題とはみなされない。kadai1 とか KADAI-1 と かkadai−1とかいう表題がついたものも提出課題とはみなさない。また、間違ったアドレスに送られたものはもちろん無視されるので注 意すること。

usui@provence.c.u-tokyo.ac.jp (学生証番号が奇数の人)
machida@asone.c.u-tokyo.ac.jp (学生証番号が偶数で1限の人)
shira@graco.c.u-tokyo.ac.jp   (学生証番号が偶数で2限の人)
読みやすいように一行の長さが 35文字(日本語で)程度にすること。

内容はなんでもよいが、出来ればこれまでの講義に関する感想、不満、今後の 講義に関する要望をなるべく具体的に書いてくれるとこれからの講義の参考にできる。

〆切は来週の講義が始まる時刻。

なお、レポートを出す時には必ず同時に自分宛にも送り、控えを保存しておく こと。これは、「出したはずなのに返事がこない」といった時に出した 証拠として使うことができる。

複数のアドレスに送るには、 To: のところにコンマで区切ってアドレスを並 べればよい。たとえば g900001 の人であれば

To: usui@provence.c.u-tokyo.ac.jp, g900001
Subject: kadai-1
X-Mailer: Mew version 1.93 on Emacs 19.34 / Mule 2.3 (SUETSUMUHANA)
Mime-Version: 1.0
----
とすればよい。 逆にいえば、この控えをとってない人の「レポートを出したはずである」 という苦情は受け付けようがないので、注意すること。

次週予告

次回はメイルについてもうちょっといろいろやった後、計算機を使った文書作 成について簡単に紹介する。まず、来週はWeb上にあるようないわゆる HTML 文書というものを作ってみて、その次2週くらいでその中に簡単な絵を入れた り、他の文書へのリンクを入れるといったことをやってみることにする。