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2 シミュレーテッドアニーリングの考え

アニーリングとは「焼きなまし」のことである。 理論的にはなにかを加熱したあと、ゆっくり冷や すことで熱平衡状態を実現するということである。急に冷やすと熱平衡ではな いところで固まってしまう。例えば、安定状態が結晶であるものでも、急速に 冷やすと欠陥が多い結晶になったり、あるいはアモルファスで固まったりする わけである。

ここで、熱平衡状態というのは、熱力学的にはエネルギー最低の状態(何が最 低になっているかはもちろん境界条件、例えば圧力一定か体積一定かによる) になっているわけで、つまり、世の中のあらゆる物質というのは、単に「ゆっ くり温度を変える」というだけで、「エネルギー最低の状態を実現する」とい う最適化問題を解いていることになる。特に、温度0での熱平衡状態は、系の ポテンシャルエネルギーを最小化したものになっている。これを実 現するためには、系を熱平衡状態に保ちながらゆっくり冷やしていけばよい。

というわけで、そんな風にやろうというのが SA の基本的な考え方ということ になる。



Jun Makino
平成17年12月19日