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6 GRAPE-6 --- 次世代機

GRAPE-4 でさ まざまな新しい成果がでると、もっと速い計算機が欲しくなる。また、半導体 技術はどんどん進んでいるので、新たに開発すればGRAPE-4 よりもはるかに高 速なものを作ることができる。GRAPE-4 の成果を評価して頂けたこともあって か、1997 年度からスタートした日本学術振興会未来開拓学術研究「計算科学」 の下のプロジェクトのうちの一つ、「次世代並列計算機開発」のなかのサブプ ロジェクトとして、5年計画で GRAPE-6 の開発をスタートさせることが出来た。 なお、その間に GRAPE-3 の後継である GRAPE-5 も作った。 GRAPE-6 では、 GRAPE-5 よりさらに進んだ半導体技術を使うことで一層の高速化、高並列化を はかり、チップ単体あたり40 Gflops 程度、システム全体としては 100テラフ ロップス以上の性能を実現することを目標にしている。この原稿執筆時点 (1999年2月)で近いうちにサンプルチップが入手できる見込みである。

なお、 GRAPE-6 計画においては、重力計算だけでなく、様々な粒子間相互作 用に対応できる多用途計算機も作ろうということで、カスタム LSI を使った ものの他にパイプラインチップに FPGA を使ったものも開発している。こちら は、集積度、動作速度の関係からカスタム LSI をつかった重力専用計算機に 比べれば1-2桁性能がおちるものの、分子動力学計算におけるファン・デル・ ワールス力や、粒子を使った流体計算、あるいはメッシュレス法による構造計 算や流体計算などの様々な応用に利用出来るものとなる予定である。



Jun Makino
Mon Jun 14 18:22:57 JST 1999