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102. 福島原発の事故その6 (2011/5/29-6/10)

相変わらず原発の話です。

その5 101 から1ヶ月、事故から2ヶ月半たって、事 態の収束にむけて何か進展があって欲しいところですが、残念ながら具体的な 動きはなにもありません。

102.1. 原発はどうなっているの?

一言で言えば、どうにもなっていません。相変わらず、核分裂生成物から出る 熱で燃料が高温になって、火災になったり爆発したりするのを防ぐために とにかく水をいれて冷やしているわけです。もっとも、3ヶ月近くたったので、 発生する熱量は熱出力の 0.1-0.2%程度までさがっています。停止の1時間後に は 1-2% あったので、その頃に比べると 1/10 になっているわけです。 なお、減少のしかたは段々ゆっくりになって、1年後は現在の半分程度、 2年後でさらに半分程度、となるはずです。

計算機でいうと完成時の次世代スパコン「京」から、現在の地球シミュレータ 2程度まで発熱が減少した、ということです。この発熱の減少のため、最初の頃に 比べて水をそんなに大量の蒸発させなくてもすむようになっています。

単純に考えると蒸発量は 1/10 になって、原発1機当で1秒に1キログラムくら いです。蒸発以外で冷える分もあるので、実際にはさらに小さくなっていると 思います。

102.2. 放射性物質は?

単純に考えると蒸発量に比例して放射性物質がでてきていそうな気がしますが、 実際の測定データからはもうちょっと少なく、現在は大量放出のあった3月 15 日や 21日の 1/100 程度になっているようです。といっても、相変わらずまともな 測定データがないので推定は難しいです。

本来ならば、原発の十分近くの全方向でダストサンプリングを行なうか、大気 からくる分の線量測定をおこなって大気中の濃度を推定する、さらに風向、風 速をモニタして放出量を推定する、といったことをするべきと思いますが、 国・東電ともにそのような客観的データを取ることに極めて消極的であるよう に見えます。

もちろん、我々にとって問題なのは、原子炉が何をだしているかよりは 我々のところにどれだけふってきているかです。しかし、これの見積りも 極めて困難になってきています。

例えば東京について、文部科学省の発表では新宿百人町にあるモニタリングポ ストのデータで、現在 0.06uSv/h 程度で平常値の範囲である、というわけで です。

これには、3重くらいの間違いないしはごまかしがあります。

まず、「平常値」とは何か、ということですが、これは日本国内の色々なとこ ろを測定するとこれくらいばらつきがある、という話で、 3/11 以前の新宿の 値がそうであった、というわけではありません。例えば岐阜県では花崗岩が多 くて、その分自然放射線線が多い、とかそういう話です。新宿の 3/11 以前の 値は 0.03 程度でしたので、 0.03 程度のは原発からの放射性物質、現在では 主に Cs-134, 137 によるものです。

自然放射線の範囲に収まっていれば安全で被害がない、という種類の宣伝が行 われていますが、これはγ線による外部被曝だけについて、さらにエネルギー の違いも無視した話なので、信じたい人は信じればいいけど、という程度の ものです。3/11 以前の人工放射線の安全規準は 1mSv/年だったわけで、 0.03uSv/h は 0.3mSv/年になり安全規準の 30% に達しているわけです。

第二の問題として、このモニタリングポストでの測定値は信用できるか?とい うことがあります。これにはさらに2つの側面があります。

一つは、このモニタリングポストはビルの屋上にある、さらに、そのビルの屋 上の端のほうで、横に壁もある、ということです。詳しい計算はここでは省略 しますが、そのような位置での測定では地上での測定に比べて、放射線の強度 が7割から半分程度まで落ちる可能性があります。実際、測定結果の説明があ るページ ページ では、同じ測定器で屋上で測定すると 0.06、すぐ近くの地面で測定すると 0.08 となっていてかなり違います。自然放射線の分の寄与が 0.03 程度は あることを考えるとこの違いは大きいです。

ビルの屋上の場合、放射性物質は主に雨と一緒にビルの屋上に降ったものをみ ているわけですが、これは新しく雨が降ると洗い流される分がでます。これは もちろん地上でもそうで、アスファルトやコンクリートではそういう効果があります。 一方、普通の地面では、セシウムが土壌の成分と水に溶けない化合物を作って しまって雨が降っても流れなくなります。このため、土がある地面とか砂場、 例えば公園とかの人家の庭、畑等の値は、降った量が同じだったとしても このモニタリングポストの値よりずっと高くなるわけです。

もうひとつは、モニタリングポストの値が「東京都」全部の値か?ということ です。前からここでも書いていますが、東大柏キャンパスでは 3/22 くらいか ら 0.7 uSv/h (現在では 0.4弱までさがっていますが)と新宿での値の数倍 がでています。これについては東大は現在でも

  平常時の東京大学敷地内の代表的な空間ガンマ線量率は、0.05〜0.3μSv/時
  程度の範囲に入ると見積もっています。使用した線量率計の評価精度も考慮
  して、ここでは値をまるめています。測定地点の近くに天然石材や敷石など
  がある場合には、0.3μSv/時に近い値を示す場合もあります。
と、http://www2.u-tokyo.ac.jp/erc/ には書いていて原発からの 放射線はなかったことになっています。 Q&A の ページ までいくとやっと

   これは平時の線量が若干高めであることと、加えて、福島の原子力発電所
   に関連した放射性物質が気流に乗って運ばれ、雨などで地面に沈着したこ
   と、のふたつが主たる原因であると考えています。 
と、原発にもふれていますがまるで原発からの放射線はメインではなくて、元々 高かったのが大きいような誤解を誘導する表現になっています。柏は 3/20、 つまり 3/15, 16 の放出の影響があった後でも 0.11 程度しかなかったものが 3/21 には 0.7 まで上がっているのにこういうことを書くのは問題です。

この、柏近辺の値については、その地域の住民やボランティアの人の測定が多 数でてきて、茨城県、千葉県、東京都にまたがる広い領域で5月になっても 0.3-0.5 と高い、ということがわかってきました。

国や自治体の動きは非常に遅かったのですが、やっと最近になっていくつかの 市が独自に測定を始め、やはり 0.3-0.5 程度はある、ということが確認されて います。これは、外部被曝だけを勘定しても 3-5mSv/年で安全規準を大幅に超 えるものです。 0.5uSv/h は、その 1/3 が Cs-137 の寄与だとして表面濃度に 換算すると 8万ベクレル/平方メートルとなり、チェルノブイリ事故でスウェー デンでもっとも高濃度に汚染されたエリアと同程度です。

ポイントを整理します。

なので、自分の生活圏の十分に近いところ(理想的には1キロメートル以内)程 度に信頼できる観測点がないと、実際にどの程度の放射性物質があるかは 全くわからない、10倍くらいあるかも、と思っておく必要があります。

例えば東京の西のほうに突発的に高いところがある、という可能性 はそれほど高くはないと思いたいですが、細かい測定をすると意外な 結果がでてくる可能性は今のところ否定できません。

102.3. 東京は危険か安全か?

柏近辺では8万ベクレル/平方メートル程度のところが結構あるわけですが、こ の程度の汚染だと ICRP/IAEA のがん死亡リスク評価では(外部被曝、γ線だけ 考慮すると)1年あたり0.025%(30年住むと 0.75%)ですが、スウェーデンでの研 究ではチェルノブイリのあとの10年を調べただけでがんリスクが 10% 増えたと いう結論がでているものもあり、どっちが本当に近いか、というのは現状では 判断することは困難です。

なお、 チェルノブイリ原発事故によるその後の事故影響では、15Ci/km^2、つま り、50万ベクレル/平方メートル程度の汚染で最初の10年以下でもがん発生率が3割程あがるかもし れない、という推定になっており、スウェーデンでの調査とオーダーでは一致 した結果になっています。逆にいうと、 ICRP/IAEA のリスク評価とはオーダー であわない結果がここでもでているわけです。

なので、柏近辺の汚染レベルでのがんリスクは、30年間で 1% 以下かもしれな いし 10% よりだいぶ大きいかもしれない、ということになります。 人の命が関わるところでこんないい加減なことでいいのか?と怒られて当然で すが、何故か現在の我々の理解のレベルはこの程度のところに留まっているわ けです。

なお、これは全年齢平均の場合で、小さい子供に限ると数倍リスクが大きくなります。 子供のまま30年被曝するわけではないですが、最初の数年のリスクはずっ と高い、ということです。

新宿辺りでも子供に限ると数パーセントかもしれない、ということで、こんなの が本当だったらどうすればいいんだろう?という話ではあります。なので、 こんなのが本当であるはずがない、という主張が一杯でてくるのは理解はでき ます。が、その多くは科学的とも理性的ともいいがたい根拠のない主張であ ると思います。

(以下 6/10追記)

放射 線リスクの言説再考:牧野淳一郎さん、押川正毅さんの記事へのコメント というものがでていました。色々興味深い主張だと思いますので、少し 詳しくみてみましょう。

   この「とんでもないこと」というのは、たとえばSweden の研究はICRPの10
   倍で、子どもは大人の5倍とすると、10%x10x5で、500%とかいう計算など
   だと思います。つまり、子どもの全員が癌になるということです。しかし、
   そんな「とんでもないこと」が、長崎・広島の後に起きなかったことは、
   日本人なら体感として知っているはずです。チェルノブイリで起きなかっ
   たかと言われると、「隠蔽されている」という陰謀論を信じる人を説得で
   きる自信ははないですが、長崎・広島なら周囲の人は、それを「知ってい
   ます」。(追記:長崎・広島の原爆と、チェルノブイリ・福島の被曝被害
   は質が異なるから比較できないという指摘もあります。このあたりは、ぼ
   くは勉強不足です。) 
既に2ヶ月くらい前に 98.9 で書 いたことの繰り返しですが、広島・長崎でばらまかれた放射性物質は今回の 福島の 1/100 から 1/1000 程度です。実際、爆心地においても 1975 年の調 査では見つかった放射性物質はその後の核実験の降下物が主であり、 1945年の原爆由来のものはほとんど見つかっていません。

そうなった理由の 一部は台風による豪雨で洗い流されたためといわれている(それ以前の測定が ほとんどないので真偽不明)のですが、元々2桁程度違っていたことは確実です。

東京(新宿)でも 3/21 だけで核実験の分全てを合わせたより多量の放射線物質 の降下があったのはご存知の通りで、福島では20km圏外でもさらのその100倍程 度降ったところもあります。

つまり、「質が違う」なんていう話ではなくて量が全く異なるのです。100倍 以上違うものを並べて「日本人なら体感として知っている」といっても、 科学的に意味がある主張とはいいがたいのではないかと思います。

(6/10追記終わり)

102.4. 福島県は?

福島県では30km圏外、例えば福島市内でも 3-4uSv/h のところがあり、そういっ たところは柏に比べてさらに10倍程度です。がんリスクは IAEA/ICRP のもっと も楽観的な見積もりで10%近く、大きいめの見積りだとなんだかとんでもないこ とになるところで、子供すら避難もしないでいる、という不思議なことが起こっ ているわけです。

102.5. 今後は?

この項の最初に書いたように、原発自体の制御は全くなにもできていない状態 ですから、今後も少ないとはいえ放射性物質の放出は続きます。雨や風の具合 では東北、関東の色々なところに降るわけです。

但し、1日にくる量が既につもっている量の 1/100 程度ないしそれ以下である ことと、多くの測定点では雨で流れる効果があることのために、放射性物質の 降下があるかどうかの判断は、特に公式の空間線量率の測定データをみただけでは 困難になってきています。

なお、これからは空気中にはあまりでない、という可能性もないわけではあり ません。これは、単純な話で既に膨大な量の水が炉心冷却に使われ、それが建 屋の中とか色々なところに漏れているからです。このため、水に良くとけるセ シウムやストロンチウムの大半は既にどこかに漏れた水のほうに移行している 可能性が高いと思います。

102.6. 食べ物は?

関東の典型的には 1万ベクレル/平方メートル程度の汚染は外部被曝に関しては おおきめに見積もってもまあ、、、というレベルですが、農作物についてはそ うはいかないようです。例えば、神奈川県相模川や東京都多摩川の天然アユで 5月末になって200Bq/kg と暫定規制値の 4割にもなるセシウムが検出されてい ます。海産物でも、広い領域で高い数字がでるようになってきています。

野菜等でも、「暫定規制値を下回った」という程度のものが関東の様々なとこ ろで出荷されているのが現状です。

暫定規制値はもちろん ICRP/IAEA のリスク見積もりによっているわけで、そ れを信じて安全と思うか、そうは思わないか、というのは現在のところ 個人の判断になると思います。

私個人としては、規制値が1桁程度下がらないなら関東・東北の農作物は可能 な限り避けたほうが、と考えています。

102.7. 国・研究機関は信じられるのか?ということ。

上に書いたように、例えば福島県の結構なエリアでは非常に高い健康リスクが ある「かもしれない」わけですが、避難等が指示されているのはごく狭いエリ アに留まっています。

何故そのようなことになるのか、を、国や自治体の立場になって考えてみるの は有益かもしれません。

まず、国として避難が必要といってしまえば、それにはお金がかかります。こ れに対して、避難しなかったことでガンになる人が相当数発生したとしても、 公害病や原爆症の場合と同じで、個別のケースについて放射線のせいであると 証明できなければ補償しなければいいわけです。

がんになるリスクが倍になるような高レベルの被曝をしない限り、個別の人に ついては被曝以外の理由でがんになった確率のほうが高いわけですから、 放射線のせいであると証明することは原理的に困難です。

なので、お金勘定だけのことを考えると、仮に健康被害が大量にでたとしても、 国としてはなるべく避難のためのコストをかけないほうが有利、ということに なってしまいます。

もちろん、これは、民主主義国家の政府がお金勘定を優先させては困るわけで、 国民の意志を優先させてくれ、ということです。その意味では、政府・自治体 に向けて声を上げていくことが重要、ということになると思います。

102.8. 研究者の情報発信はどうだったか?

上でみたように、国・東電が今回の事故について積極的に情報発信しないであ ろう、むしろ、放射性物質の放出についても放出したものの影響についても可 能な限り小さいめに評価しようとするであろう、ということは、彼らの立場に 立ってみれば極めて自然なことと考えられます。

そうすると、例えば原子力工学の研究者、学会、放射線医学の研究者、と いったところにも(もちろん、個人差はあるにしても)同様なバイアスが かかることは避け難いと考えるべきでしょう。

一見すると、このような状況は、いわゆる相対主義的科学観に良くあっている ように見えないこともないです。科学者の主張はその人の政治的な立場や信念 によるものであり、「事実」を反映するわけではない、そもそも、そういうわ けで「事実」が何かわからないのだから、科学が事実に近付くとかそういう議 論には意味がない、というのが(少なくとも強い形での) 相対主義的科学観と言 われるものの主張です。

しかし、良く考えてみるまでもなく、ここで私は「可能な限り小さいめに評価 しようとする」人々がいる、といっているわけで、これは「事実」がどこかに あって、それとは違うことをいっている人々がいる、という意味です。この意 味で、科学者の主張がその人の政治的な立場や信念に影響される、という主張 は、ただちに(とか断り書きをつけなくても) 相対主義的科学観につながるもの ではありません。

というような当たり前のことをわざわざ書くのは、科学者の主張がその人の政 治的な立場や信念に影響される、というと、それだけでそれは相対主義だ、と いうようなことをいう人が必ずでてくるからです。実際に研究の現場にいれば 色々な研究者が間違ったことをいっていてそれがその人の信念によるものであ るようなケースはいくらでもみているほうが普通であると思います。というの は、科学の発展の歴史というのは、少なくとも一方では、そのような信念や思 い込みによる間違いを少しづつにせよ「より正しい」もので置き換えてきた歴 史だからです。逆にいうと、ある時点で少し前の時点を振り返ると、研究の最 先端で研究者がいったことは殆ど間違っているように見えるわけです。

で、政治的な立場とか色々なものがあると、色々な間違いとかが修正されにく くなるとか、新しい間違いが生産される、とかいったことが起こるわけで、そ のこと自体は別に、相対主義とかそんなことを持ち出す必要なしに理解できる ことです。

さて、では、原子力工学・放射線医学等が専門というわけではではない研究者 の発言、情報発信はどうだったでしょうか?というのがここで少し振り返って みたいことです。

振り返る、といっても、97 で 書いたように、私の当初の認識は

    2011/3/11 の東北関東大震災で、福島県にある東京電力の福島第一原発が
    重大な事故を起こしています。これについては色々な人が色々なことをいっ
    ていますが、原子炉の物理、核物理、放射性物質の振る舞い、人体への影
    響といった様々のところいくつもが間違っているものが多いです。
というもので、残念ながらこの認識を大きく変える必要は感じていないのが現 状です。このような文章では事実を具体的に述べる必要があるので実名で書き ますが、 3/12 くらいの段階では例えば東大物理の早野さん、阪大の計算機セ ンター所属の菊池さん、京都女子大の水野さんといった人々が、メルトダウン はありえない、そういうことが起こるというのはまるで物理がわかっていない、 というような発言をしていました。

http://twitter.com/y_mizuno/status/46222019901136896

  九州大学の吉岡斉さんは、原発関連の科学技術政策の専門家なのだけれど、
  今回の福島原発で冷却できないとメルトダウンの可能性がある、などと言及
  されるのは理解できないなぁ。どういう理解をされているのか、聞いてみた
  い。そのコメントをするのであれば、関連分野の専門家を呼ぶべきでしょう。
  残念。
http://twitter.com/hayano/status/46222811714433024

  全くです.RT @y_mizuno: 九州大学の吉岡斉さんは、原発関連の科学技術政
  策の専門家なのだけれど、今回の福島原発で冷却できないとメルトダウンの
  可能性がある、などと言及されるのは理解できないなぁ。...そのコメント
  をするのであれば、関連分野の専門家を呼ぶべきでしょう。残念。
http://twitter.com/kikumaco/status/46602299476418560

  @MayaYamamoto どういう意味の熔融? 核反応の暴走という意味でのメルトダ
  ウンは起きてないし、万が一のために、海水といっしょにホウ酸を注入中だ
  から、大丈夫なのでは? 崩壊熱のほうは海水でいいのではないのかなあ 
  
もちろん、これらは「メルトダウン」についての、あるいは軽水炉での重大事故 がどういうふうに起こるか、ということについての基本的な知識の欠如からく る発言です。臨界、つまり、連鎖核分裂の継続がなければ、原子炉からの発熱 は大したことがなく、圧力容器、格納容器が破壊されるとか大量の放射性物質 が環境にでるとかいったことは起こりえない、と思い込んでいたようにみえま す。

また、 3/16 くらいから、アメリカの Monreal なる物理学者の 作った数々の重大な間違いを含む スライド を、日本語に翻訳しようという 活動が KEK の野尻さん、理研の橋本さん他によって始まりました。 http://ribf.riken.jp/~koji/jishin/zhen_zai.html

  メッセージ: 素粒子原子核分野の研究者/院生の皆さん

  今回の震災に起因した福島原発の事故について国民の不安が高まっています。
  チェルノブイリのようになってしまうと思っている人も多いです。 

  放射線を学び、利用し、国民の税金で物理を研究させてもらっている我々が、
  持っている知識を周りの人々に伝えるべき時です。 


  アメリカのBen Monreal教授が非常に良い解説を作ってくれました。もちろん
  個人的な見解ですが、我々ツイッター物理クラスタの有志はこれに賛同し、
  このスライドの日本語訳を作りました。能力不足から至らない点もあります
  が、皆さん、これを参考にして自分の周り(家族、近所、学校など)で国民
  の不安を少しでも取り除くための「街角紙芝居」に出て頂けませんでしょう
  か。

  
元々のスライドの問題点については 3/18に指摘しています が、念のため繰り返しておくと

注意して欲しいことは、これらは「後知恵」でいっているわけではなくて、こ のスライドが作られた時点で公開されていた情報から、その時点で私が指摘し ていた間違いである、ということです。

私個人としては、このようなものに「賛同」し、あまつさえそれで 「不安を少しでも取り除」こうとするのは理解しがたいことなのですが、 現実にそういうことが起こった以上、それにはそれなりの理由があるはずです。 ここで書いていることは要するにそれを理解しようという私なりの試みです。

後知恵でみれば、私の書いたことも全体に楽観的に過ぎるものになっていて よろしくないのですが、まあ、その、若干は間違いが少ないのではないかと 思います。

で、以下自分のことは棚に上げて他の研究者の情報発信について書くと、他に も

http://twitter.com/hayano/status/54529275491123200 (4/3)

  5 3/15だけなのか(1)?】福島県の放射線レベル http://bit.ly/hGo4VM が,
  3/15に急増し,3/16以降単調に減っていることから,3/15の重要性は明らか
  です.
http://twitter.com/hayano/status/55404814531706880 (4/6)

  【グラフ更新 福島第一原発敷地内の空気中のヨウ素131濃度】日々減少中.
  新たな大量放出は起きていない. http://plixi.com/p/89833314    
 
http://twitter.com/hayano/status/59749880985432064 (4/18)

   【KEK(つくば市)の空気中の放射性物質の種類と濃度】
   http://bit.ly/gFCQgx を見ても 3/24以降は大きな放出は検知されていな
   い.http://bit.ly/gXCwHn 
http://twitter.com/Mihoko_Nojiri/status/59013377548230656

   @wdb201126 なんか柏の東大が数値高いのも近くにガッツリ花崗岩が、、、
   
というような例があり(まだいくらでもあげられますが)、常に福島原発からの 放射性物質の放出の危険を過小評価する方向の間違いを繰り返していることが わかります。

(6/5 追記)

野尻さんから、上の一つだけを引くのはフェアではない、とのコメントを頂い たので、 4/16 の関係しそうなものを以下全部引用します。元は http://twilog.org/Mihoko_Nojiri/date-110416/asc

@wdb201126 なんか柏の東大が数値高いのも近くにガッツリ花崗岩が、、、

世界のたいていの場所より低いと思います。失礼ですが、そういう対策がひろまってるんですか? RT @hamuko_t: 早速のお返事ありがとうございました。図々しくて申し訳ありませんが、外遊びも気にしないで大丈夫でしょうか?

[都内限定] 都内でお子さんをお持ちの方へ。放射線量は低い( 0.2程度)と思うので、外遊びを禁止するメリットは感じません。もし、本当に気にするのであれば、幼稚園の園庭(土)などの放射線量調査を市や区に依頼されてはいかがでしょうか。

福島の1/10 だとおもうんですよね、都内って。てえことは年間被曝線量で 2mSv (要するに世界平均)くらいで、なんぼ不安だからって全部やれっていわれても行政対応できないというのはまあ妥当。

あれねー、東大柏いたずらに不安まいてるとおもうので、キャンパスの中くらいはかったらいいと思ったり。石のそばだみたいな話はちょっと聞いたのですが。RT @SOSOAO: @Mihoko_Nojiri ホットスポット疑惑がうちの界隈(柏とか流山とか)みな不安がってるので顕著なんです。

でもこういっちゃなんだど、福島はすごく心配ですが、東京が高くても、全然関心もてないというか、、、ご飯いきます。

ほお、これはそこそこでてますね。0.4uSv /year RT @t_ton2: 柏の国立がんセンター東病院の調査を見ると、3月22日から上がっているのです。(21日は計測なし) http://bit.ly/gM60fh

0.5uSv/h で住めないというのは大げさなんじゃないかと。。。1mSvの許容線量というのは、環境にある普通の放射線量を 2mSv/y とすると単に 1.5倍になるだけ。0.5Sv/h はそのまま外に入れば3.5mSv/y ですけど、家にいる時間もあるので。 @SOSOAO

たとえばコンクリートの屋内だったら、柏の場合でも 1/10 なわけですから、計算としては外にいる時間x外の線量程度におもっておいてもいいのかもしれません。内部被曝については今 tweet しました。 @ubzm

要するにまとめると不安の元は 10mSv はいかないとはいっても自然線量とくらべると倍以上だし、長期間にわたってこれが続くのか、それともまだまだ1/2くらいになるのか、とか、自分の家ではどのくらいに減っているのかとか、とか、工夫すれば減らせるのか、とか@SOSOAO

@nabeyasu1124 0.2ならね 。まあ東京はつくばよりひくいので(笑)

いや、僕にいわんでくださいよ。RT @ProfMatsuoka: 米国デンバー市は大体その位ですね。立派に人が沢山健康に住んでますが。"@Mihoko_Nojiri: 0.5uSv/h で住めないというのは大げさなんじゃないかと。。。@SOSOAO"

0.2uなんけしからんとか年間 1mSv は多いとかいうなるとをいただいていますが、つきあいきれません。十分自然放射線が少ないところを選んですんでください。 黄色以上のところはやめたほうがいいでしょう。http://bit.ly/gap3N8

ちなみに原発からでた放射性粒子も自然放射線もαβγ線のどれかですから、原発からきたって地面からしみ出してきたって同じです。

名古屋市内の高いところは木曽川の下流だったり 四日市の高いのは、上流からでしょうね。うーんと拡大するとよくわかる。 RT @madone52fs: なるほど、ここ四日市って高いんだ。

(6/5 追記終わり)

国や東電、あるいは原子力工学の研究者の場合には、過小評価する合理的な動 機があるわけですが、特に利害関係がないと思われる他分野の物理学(素粒子 物理、原子核物理、物性物理等)の研究者が同様な過小評価を繰り返してきてい るのは何故か?というのはなかなか理解が難しい問題です。

まず、仮にも物理学者である以上、意図的に事実をねじ曲げるようなことは しないであろうと仮定してみます。そうすると、自動的に、本心から そのような過小評価を信じている、ということになります。

既に書いたように、研究の現場に戻ってみると、研究者というのは(私ももちろ んそうですが)思い込みによる軽率な間違いを一杯するものです。で、その多く は、「誰か別の人がいったことをちゃんと検討しないで鵜呑みにする」、「な んかおかしいと思ったけど、専門家がいうんだからそうだろうと受け入れる」 といったことによっています。

もちろん、専門家のいうことがおかしいと思って、自分で検討して、その途中 で間違えることはもっと一杯ありますが、これは色々指摘されたりして修正さ れることが多いわけです。これに対して、専門家、権威者の発言を鵜呑みにす る、という種類の間違いは、基本的に修正するメカニズムが働きません。もち ろん、事実が、専門家、権威者の発言と全然違う、ということが明らかになっ て、専門家、権威者のいうことが変わるともちろんそれに追随するわけですが、 この時には比較的大きな時間遅れが見られることが多いです。

これは単に研究者というのは大抵保守的というか頭が固いというかそういう傾 向があって、簡単に考えを改めない、ということによっています。実際に新し い研究をしようという時には、この「頭が固い」という特性は実は必要なもの であり、自分の信じるところをそんなに簡単にくるくる変えるようでは新発見 なんかできません。

さて、では、当初(というか現在まで一貫して)福島の事故の規模、影響を 過小評価してきたのは何故か、というと、個人的には

があったのではないかと思います。また、「大きいんじゃないか」という発言 をすると「権威である××さんがそんなことはないといってるのにお前はデマ を広げるのか?」といったたぐいのことをいってくれる人が一杯いたらしいと いう話も聞きます(私は特にそういう経験をしていないので良くわからないので すが)。

まあ、その、正常性バイアス、パニック神話、集団浅慮というようなキーワー ドで理解してしまっていいのかもしれません。

102.9. 私はどうだったか、ということ。

自分の個人的なことを若干書くと、日記には 3/12 から色々書いていたわけで すがまとまった形の 97 を公開し たのが3/19 であり、上記の Monreal スライドの普及を、というメッセージが 天文学会メイリングリストに流れたことへのコメントという形で天文学会メイ リングリストにメッセージを流したのが 3/20 です。その中身は以下の通りで す。

  国立天文台の牧野です。

  福島原発の事故の程度については情報が錯綜しており、各国の専門家の評価
  も事実上 INES 基準レベル7とみているフランス、ロシアから、レベル6と見
  るアメリカ、現在まだレベル5 と公式発表している日本まで、放射性物質の
  放出量の見積もりに4桁の差があります。

  以下の資料は極めて小規模な事故であるという印象を与えるもので、そのよ
  うな宣伝が適切なものかどうかは十分に考えるべきと思います。

  牧野の大雑把な理解をまとめたものを以下に:
  http://jun-makino.sakura.ne.jp/articles/future_sc/note098.html
これだけのメッセージですが、これを流すことには非常に大きな心理的抵抗が ありました。そもそも、自分の利害、という観点からは、こういうことをいう ことには全くなにもメリットはありません。まず、あまりその時点で他の人が いっていないことをいうわけなので、もしも間違っていたら25年の研究者人生 で築いてきた(とまあ本人は思っている)理論研究者としての信用に傷がつくわ けです。また、正しかったとしても、上に述べたように例えば国には影響を過 小評価しようとする十分な動機があるわけで、その意向に沿わない情報を発信 することが国から給料も研究費ももらっている研究者にとって何かメリットに つながるとは考えにくいでしょう。そもそも、あとで正しいとわかる悪い予言 とかアドバイスをして悲惨な目にあう話はカサンドラを始めとしていくらでも あるわけで、賢い人はそういうことはしないものです。

まあ、その、全くメリットがないかといえば、そうでもありません。 3/19 時 点で放射性物質の放出は極めて深刻で、チェルノブイリと同じオーダーである とかなり確信をもって見積ることができました。そうすると、過去の重大事故、 特にウィンズケール(セラフィールド)、チェルノブイリの事例を見ると、いず れは被害状況が明らかになり、しかも今回に関しては実は当初から被害状況が 推定できるデータが公表されていたということも明らかになります。そうすると、 まあ、国や東電や利害関係のある研究者が公式には過小評価側の発表をするの はそういうもので、彼らが国民の信頼を失う(元々はあったとして)のはやむを えないとして、利害関係がないはずの他分野の物理学者が同様に信用を失う(こ れも、元々はあったとして、ですが)ことになるわけです。それに巻き添えをく らうようでは、まず第一に、格好悪いわけです。

もちろん、同じ間違いをしていたら格好もなにもないのですが、事実がどうなっ ていたかを認識していたにもかかわらずだまっていた、というのは間接的に間 違った情報の拡散を助けることになります。さらに、事実が明らかになってか ら後出しで「実は自分は気が付いてた」みたいなことをいうのは非常にみっとも ないことと私は思うので、いうなら早めにいっておきたいわけです。

まあ、もうちょっとえらそうにいうなら、事実の正しい認識が広がるのを助け ることで、今回の事故の被害を少なくすることに多少でも貢献できれば、とか、 色々言えないこともないです。

個人的には、原発は大体数十年に一度くらい大事故を起こすだろうと30年くら い前から思っていて、チェルノブイリの次は、スリーマイル、チェルノブイリ の後でも縮小の方向にいかなかった日本で起こる可能性がもっとも高いし、日 本は国内で大事故をやるまでは決して撤退の方向にはいかないだろうとも思っ ていました。(これは後出しですね、、、) 今回撤退の方向にいかないと次の大 事故まで撤退しないことになるので、まあ、その、それはできれば避けたほう がよいし、避けるのは不可能ではないのではないか、と今のところは思ってい ます。

3/11 くらいからなるべく情報を集めて状況を理解しようとしたのは、そんなえ らそうな話ではなくて単に自分及び家族が東京から避難するかどうかの判断の ためです。国の避難勧告やマスコミの報道が信用できるはずはないということ は初めからわかっていますから、仮に東京を大量の放射性物質が覆う、という 事態になっても避難勧告はでないだろうと考えざるをえません。なので、運を 天に任せるのでなければ自分で判断するしかないわけです。

国や東電がちゃんと情報を隠す気があればそうはいってもどうしようもなかっ たわけですが、結構色々な情報がすぐにでてきました。といっても14日くらい まではどんな情報があるかもわかってなかったですが、風はとりあえず関東に はふかない予報だったので避難とかは、、、とおもっていたわけです。が、 3/15, 16 は関東向きの風になるということが予報ででました。

3/14 の日記で引用したように、風向きその他によっては関東が壊滅的な被害を 受ける可能性があるわけですから、避難は現実の問題です。また、 3/14 には 福島原発からかなり離れたところにいた米空母ロナルドレーガンが逃げ出すと いうことがあり、推定すると 100マイルの距離で20uSv/h ないしそれ以上が観 測された可能性があるということがわかりました。

というわけで、3/15 の朝、茨城県のモニタが数値の上昇を示した時点でとりあ えず西に移動しました。計画停電で通勤も大変だし計算機も動かせないので、 あまり出勤に意味がなかった、ということもあります。

日本、あるいは関東にとっては極めて幸運なことに、 3/15-16 の放射性物質 放出はおそらく 3/14 に比べると少なく、また関東では雨にならなかったため にこの日の汚染は(福島はともかく、関東の多くの部分では)それほど深刻なもの にならず、また雨が降った 3/21-22 にはおそらく放射性物質の放出はさらに 少なかったと思われます。それでも柏など一部のエリアで 0.7uSv/h を超える 高い汚染になり、その半分程度が Cs-134, 137 であったために現在でも 半分程度までしか減っていないわけです。

自分はどうしたかというと、週末には東京に戻りました。 3/15-16 の土壌の 汚染はそれほど深刻にならなかったこと、また、東京にくるかどうかは茨城県 のデータで数時間前にはわかるので緊急避難はできることがわかったこと、 による判断です。家族といっても子供はいないのでそれほど心配する必要性が 大分違う、ということもあります。

102.10. 色々。

なお、事故の後、色々な人が色々なことをいっています。例えば、

といったたぐいのものです。新しいものが信用できるかどうかについては、浜 岡ではもっとも新しい5号機が運転開始以来トラブル続きで極めて稼働率が低く、 先日停止させてみたら復水器が壊れていて一次冷却系に大量の海水が流入する という大事故につながりかねない事態になっていたことからもわかるように、 新しい原発では古いのとは違うところが壊れる、というだけの話です。

夏に電力不足、という話は、東京電力、中部電力に関する限り、その発電能力 についての公式の発表を信じるなら(水力や特に揚水発電所は名目能力の通り丸々 発電できるわけではないことを考慮しても)なさそうに見えます。中部電力は 元々浜岡が極めて信用できない代物で、特に5号機完成のあと大幅に稼働率が さがっています。なので、原発抜きでは困るようでは話になりません。

東京電力については、今年の夏に柏崎を全部止めた状態ではさすがに若干不足 する可能性はあると思います。まあ、その、来年に向けては発電能力を増強す る、という方向もないわけではないと思いますが、照明を LED に変えるとか、 古いエアコンを使っているところで新型の熱効率の高いものに変えるとか、建 物の断熱性を上げる努力をするとかで消費電力の削減を図るほうがよいのでは ないかと個人的には思います。

揚水発電所があるので、ピーク時以外の電力消費を減らすことにも十分意味 があります。

チェルノブイリの強制退避区域は、ベラルーシでは5年かかって徐々に レベルを下げたわけで、これはどちらかというと、いくつかの調査で無視できない 影響が見えてきたのでやった、という面があるように思います。これらの 調査は IAEA/ICRP の報告では取り上げられていないので、 IAEA/ICRP の報告 だけをみていればチェルノブイリでの強制退避は必要なかったということに 当然なるのですが、そんなものを信じるのか?と個人的には思います。

102.11. もう一度、国は信用できるのか?ということについて。

現在国、電力会社がやっていることは、極めて深刻な大事故が起こったにもか かわらず、その影響を可能な限り小さく見積もって、可能なら原発の運用、新 規建設を進めよう、ということであるように見えます。実際、3/12 の時点で事 態は深刻だったわけですが、東電も国もそのことをその時点で認識していた、 ということが最近になって明らかになってきています。

つまり、国・東電は、今までなりふりかまわずに事態を隠していたわけで、と いうことはおそらくは今でも色々なことが隠されているわけです。そのような ことが起こるのは国・東電の立場に立つなら合理的なことですから、行動パター ンが今後変わることは期待できません。そういう姿勢で原発の運転、建設を続 けられるとあまり遠くない将来に次の大事故が起こってしまいます。まあ、そ の、国民が皆それでもいいと思うならしょうがないのですが、みんなそう思っ てる、というわけでもないと思いたいところです。

海外の事例から明らかなことは、今後、

というようなことが進むことです。これはもちろん、既に起こっていることで もあります。つまり、信用とかそういう話ではなく、行動の理解と予測は十分 に可能だ、ということです。その理解をベースにして自分はどうするか、 ということが問題なわけです。

102.12. 参考になるサイト(再々々々掲)

102.12.1. リアルタイムモニタデータ

単位、表示方法がバラバラですが、例えば茨城県で急に数字があがると、風が 千葉とか東京にまでくる可能性が高いので、注意したいところです。 Gy(グレ イ)はγ線、β線に関する限り Svと同じ単位です。

102.12.2. もうちょっと遅いデータ

同じ時刻でも新宿と東大駒場では振る舞いが違ったりしていて、原発から200 キロ離れていてもほんの数キロの距離でだいぶ違うことがわかります。

102.12.3. その他

33時間風予報は、33時間後(1日4回更新のようなで26時間後くらいまでしかな い時もありますがう)までの風向き、風速の予報データが見られます。放射性 物質がこの通りにくる、というわけでは決してありませんが、原発の上を強い 西風がふいていればしばらくは大丈夫だし、自分のいるほうにふいていれば要 注意です。

また、雨の予報もあります。こっちも細かいところはあまり信用できない気が しますが、大体の目安になります。原発から風がふいている時の雨のふりはじ めには気をつけたいものです。

この辺は、ちゃんと国が予報とか出すべきと思いますが、、、 「ただちに健康に危険があるレベルではない」って、それ、ただちではないけ ど危険があるかもしれないの?というような疑問もでてくるわけですから。
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