next up previous contents
Next: 4.7 もう少し賢い方法 Up: 第4章 数値解法の基本: Euler method Previous: 4.5 オイラー法の収束性と打ち切り誤差

4.6 後退オイラー法

オイラー法では、

という風に、 のところの量だけを使って を計算した。これ の変形として、

というものを考えることができよう。これでは、 のところの量が使 われる。

この場合、左辺値が右辺に入っているので、全体として について の代数方程式になっている。この方程式を解くことによって新しい時刻での値 がわかるという仕掛けになる。

このようなやり方のことを一般に陰的公式 implicit scheme と呼ぶ。それ に対して、方程式を解かなくても新しい時刻での値が直接計算できるものを、 陽的公式 explicit scheme と呼ぶ。

この方法は、精度(収束性)についてはオイラー法と変わらないが、一々方程 式をとかないといけないので計算はずっと大変になる。が、それ以上にメリッ トがある場合もあり、そういった問題には後退オイラー法、あるいはそれに由 来するようないろいろな方法が使われる。



Jun Makino
Thu Aug 13 14:18:16 JST 1998