オイラー法では、
という風に、 のところの量だけを使って を計算した。これ の変形として、
というものを考えることができよう。これでは、 のところの量が使 われる。
この場合、左辺値が右辺に入っているので、全体として について の代数方程式になっている。この方程式を解くことによって新しい時刻での値 がわかるという仕掛けになる。
このようなやり方のことを一般に陰的公式 implicit scheme と呼ぶ。それ に対して、方程式を解かなくても新しい時刻での値が直接計算できるものを、 陽的公式 explicit scheme と呼ぶ。
この方法は、精度(収束性)についてはオイラー法と変わらないが、一々方程 式をとかないといけないので計算はずっと大変になる。が、それ以上にメリッ トがある場合もあり、そういった問題には後退オイラー法、あるいはそれに由 来するようないろいろな方法が使われる。