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13.4 振動的に硬い方程式系

さて、最後に、振動的に硬い方程式系というものに対して簡単に触れておこう。 これは、要するに、実数で高い振動数を持つような自由度がある系である。具 体的な例では、例えば分子動力学計算の場合、分子内部での振動、変形は、分 子全体が回転したり重心が動いたりするのに比べ何桁も速い。

前にやった硬い方程式用の解法はこの場合には使えない。というのは、これで は数値解では振動が減衰してしまうからである。

この場合には、普通の硬い方程式のような汎用でうまい方法があるわけではな い。最近研究が進みつつあるのは、ハミルトニアンを自由度毎に分けて、それ ぞれ別の時間刻みを使う方法である。振動数の大きな自由度の数が少なければ、 これで劇的に計算量を減らすことができる。



Jun Makino
Thu Aug 13 14:18:16 JST 1998