前節で見たように、極めて単純な自己重力系、すなわち、同じ重さの質点がおお むね球状に集まっている系については、その熱力学的な進化の過程がどんなもの かというのはほぼ明らかになったと考えてよい。しかし、実際の天体現象を考 えると、
と、いろんなことがあるわけである。これらの効果を見ていくためには、前節 で得られたような基本的な描像を手がかりとしつつ、現実的な効果を採り入れ た数値計算によって調べていくということになる。で、それはそうなんだが、夏の学校事務 局からおおせつかった page limit は既に来ているので、以下、数値計算につ いてどういう話を扱いたいかという項目だけ書く。こちらのより詳しい内容は 別に物性研究に書くことになっているので、興味がある人はそちらを見て欲し い。講義ノートとしては内容が中途半端になって申し訳ない。